GUNSLINGER GIRL5巻 相田裕ISBN:4840230722

トリエラとピノッキオとの因縁に決着が付いた事で話としては一つ区切りが付いたんじゃないか。
自分はこの漫画は二つテーマがあるんじゃないかと思って読んでます。一つは義体の少女達の行く末、ようは少女の幸せな死について。もう一つは過去にあったことへの復讐、こっちはジョゼとジャンが中心ですね。これらについてこの巻で一つの回答がでたんじゃないでしょうか。
まずは少女の幸せな死の選択肢の中に守るべき人を守って死ぬ。というのはあっていいでしょう。ピノッキオは守るべき人、クリスティアーノを逃がす為にトリエラと戦い、そして死にます。しかしクリスティアーノはトリエラかは逃げる事が出来ても作戦二課全体から逃げることは出来ず、逃走は失敗します。追ってくる敵が他にもいる限り守る為に死ぬということは徒労に終わるということをはっきり示したんじゃないでしょうか。ただピノッキオ自身はクリスティアーノの逃走が成功したと思ってるならばそれはそれで幸せかもしれません。ただ読んでる方としたらやるせなくなるだけのような気がしますが。
あとは復讐についてですがトリエラは一度ピノッキオに敗れています。そこから軍に訓練に行ったりして戦闘能力を高めて今回のリターンマッチに勝利した訳です。勝利=ピノッキオの死ですが。で、本題はピノッキオに勝った事を涙をためながら笑顔でヒルシャーに報告するトリエラと悲しそうな顔でそれを聞き、そしてトリエラを抱きしめるヒルシャーに付いてで、これは復讐なんて果たして喜ぶのは自分だけ、というより復讐の為に変わってしまった人を見るのはつらいってことな気がします。
こう書いてみるとこの漫画の行く末は明るくねぇなぁという気がしますが、同じことを敵味方換えてもう一回やるってことは無いだろうし救いのある終わり方だといいなぁと思っております。